想定外の問題を見つけるのではなく「想定を広げる」 #JaSSTReview
JaSST Review'19でmiwaさんの『違和感のつかまえかた』という講演をお聞きしたメモ。
最近、自分のやっていることは「違和感をみる」ことではないか?*1という仮説があり、参考にできないかと思いながらお聞きしました。
miwaさんはとてもやわらかくお話する方で印象的でした。
ふだん、なにげなくやっていることの言語化はむずかしいと思いますが、
それを聞けるとても貴重な機会でした。ありがとうございます。
資料
「風邪を引いたかも?」と思った時にどうする?
- レビューはいつするのか?
- うちのチームは、レビューしてない
- 毎日そこらじゅうでディスカッションしている
- これがレビューかもしれない
- 最良の開発プラクティスを最大限適用する
- ↓
- レビューが良いものなら、常にレビューする
- これだ!!
- 自分達の製品のおかしさ
- おかしさ=違和感=注意すべきシグナル
- 自分たちの製品。自分が風邪をひく話。誰かが風邪をひく話でない。
違和感とはなんなのでしょうか?
- 違和感とは「いつもの状態」と「今の状態」との差分
- 違和感をかじるために必要なこと
- 1.いつもの状態を知る
- 2.理想や期待値を持つ
- 3.今の状態(現実)を知る
- いつもの状態 + 理想や期待値 × 今の状態(現実)
みわさん「違和感はいつもの状態や理想や期待値と、今の状態の差分だから、これらを知らないと感じられない」
— あきやま🍵 (@akiyama924) November 1, 2019
#JaSSTReview
「そんなに簡単には伝わらないだろうと思っている」「出し惜しみしない」
- やりたいことがあって、作ったものを確認して、できないことを言いたい
- どんな問題を見つけたいかを頭の中で描く
- 起きたら嫌なことを考える
- 具体的に何をしたらその問題が出せそうか、考える
- 頭の中でテスト。出し惜しみせずに頭の中で壊した結果(予測)を話す。
使う前からテストする。どうやったら壊せるかを考えている。起きたら嫌なことが常に頭の中にある。エアテストしている。出し惜しみせずにすぐにプログラマに話す。それに耐えるプログラムを書いていく。 #JaSSTRevew
— きたのしろくま(あだち) (@kitanosirokuma) November 1, 2019
- 話題になってないことが何かを考えている
- 同僚の様子、言動を観察
- 会話の中でこういうフレーズが出てきたら、要注意というものがある「こういう仕様です」など
- 製品をみる
- 毎日製品を触っているので、昨日との違いが手触りでわかる
- こう動く、こう動かないなどの理想が頭の中である。
- 頭の中で考えたことが間違っていることがある。それは恥ずかしいことではない。間違っていることが知れて正しいことが知れる。
- チケットをどう見てるか
- 開発日記やテストの履歴が書いてある
- 自分の知りたいことが書いてあるか。関連チケットも見る
- チケットを見てどう開発したかを頭の中で構築する感じ。イメージができないものを確認する
- 知りたいことを教えてもらうとき、なぜ知りたいかをセットで話すといいみたいです
- 心配しようとしてること、試そうとしていることをプログラマに伝える
- 知りたかったこと以上のことを教えてもらえることがある
なぜそれを知りたいかもセットで話す#JaSSTReview https://t.co/mFqJUz6bqo
— yoshitake (@yoshitake_1201) November 1, 2019
- 「(チケットに)たくさん書いてあって読めないよ」もシグナル
- チケットの状況からもおかしさを感じる事もできる
- 私たちのチームでよく見るのは「なんども仕切り直される」
- 一人で複数のチケット、なかなか手につけないチケット
- 思ったように製品が作れないという状態は「みんなの状態」
- コミットログをみる(を過去にしていた、今はやってない)
- 具体的なものが引っかからなかった
- 今でも注目しているのは、連休前にコミットしたもの
- 自分自身を知る
- 自分の感情
- 人間のせいにしない。(システムのせいにする)
違和感に対する感性を高める?
- なぜ、違和感を感じることができたのか?
- ここ数ヶ月、自分に問いかけてみた
- 製品を知っているからこそ感じることが圧倒的に多かった
他者の違和感を取り入れる。
- コスパ高い。
- なんでそんな操作したんだろうか?
- なんでそこに気づいてんだろうな?
- 自分からも積極的に話す。
- みんなに空気感染して、話してくれるようになる
- 違和感を交換するのが目的ではなく、取り入れるのが目的
- 自分のものにするまでは意識して取り入れる
- なんとかさんになりきってテストする
- 他人の違和感x自分の思考
みわさん「誰かがバグを見つけた時に、自分がその違和感を捉えられなかったのが悔しいんだけど『何でそんな操作をしたの? 何でそこに気がついたの?』と聞きます。その情報は自分が持っていなかったものだから自分のものにするためには繰り返してやってみる必要があるんだけど役立つ」
— あきやま🍵 (@akiyama924) November 1, 2019
#JaSSTReview
- 自分の感情
- なんでそう感じてるかを考える
- 自分の意識の持っていき方を矯正している
- 自分やチームのみんなが考えそうもないこと
- みんなで話している中で、見えないもの、書いてないものに注目する
- 話題になっていないこと
- 安心していること。安心仕切っていることは話題に出てこないことが多い。本当に安心できるか?
- 「間違っているかもしれないぞ」
- 「想定外の問題を見つけるのではなく想定を広げる」
- 疲れたときは休みましょう
- 自分自身のバグもシグナルとして使う
- テストに熱中する(=過集中、他を見逃す)
- 差分が微量だとつかまえられないことがある
- わざと差分を大きくして、つかまえやすいようにする
違和感をつかまえたのに、「そのままにしてしまったこと」ありませんか?
- なんとなく言い出せない状況や心境
- 言いづらい違和感ほど誰かに伝えるようにしている
- 「気のせいかな?と思うことのほとんどは気のせいじゃない」
- 言いづらいときにどうしているか
- 「これは仕事だから仕方ない」と思う
- 練習する言えるようになる、でも、言いづらさはなくならない
- 違和感を自分ひとりだけのものにしておかない
- 違和感を口に出す。
- 「あれ?」と口に出すと周りが反応して、そのままにしにくくなる。
- 練度が上がると首をひねるだけで周りがざわつく
- 捕まえた瞬間に「あれなんだ?」を考える
わかったような気になっているとき、は違和感に対する感度が鈍くなっています
- ちょっと話聞いたくらいでわかるはずない
- 「私のくせにこんなにわかるのはおかしい」
パネルディスカッションでの一部
- チームの仕組み
- 「おかしいと持ったらすぐにいう」
- 「わからなかったらすぐにいう」
- みんなには他にしてもらいたいことがあるから、調べたり悩んだりがもったいない
- 「安全だから喋る」とかじゃない
- 仕組みや規則があるのでなく、みんなが良いと思っているから、そう振る舞っている
- 「わからない」を言えると言えるようになる
- 言わないと言えるようにならない
講演をお聞きして
- 資料をみてゆっくり考えたいな、と思った。
- 「想定外の問題を見つけるのではなく想定を広げる」と言う言葉は、とてもしっくりくる。
- 私の「違和感」は、「理想の状態と今の状態の差分」を感じている気がする。
- それを感じるために「理想」を描いたり知ったりすることが大切だと感じている。お話を聞いていて、やっぱりそうかな、と思った。
- 私は、自信がないものは注力して考えているから、そこに隠れている「無意識に自信があるもの」に気付けてない課題がありがち。
- 自分自身を疑ってモニタリングして、感情や感覚や行動がわかるようにありたい。自分を疑うことのしきい値。
- 『無意識を使う』
- ふだんの自分の「なんとなく」感覚をつかめるようになりたい。言語化したい。まずは手帳に書いてみようかなあ。
*1:本当にそうかは違和感がある